- トップページ
- >
- 上肢後面の神経走行(橈骨神経)②
上肢後面の神経走行(橈骨神経)②
- 2021/07/08
<運動器系・上肢>
5.上肢の神経
(4)上肢後面の神経走行(橈骨神経)
橈骨神経の浅枝は、手背の橈側分布する皮神経です。腕橈骨筋下に隠れて前腕を下行し、前腕下方では腕橈骨筋が腱になつて細くなりますと皮下浅くに出て、手背の皮下に進入します。
橈骨神経の深枝は、主に前腕伸筋群の支配神経です。長・短橈側手根伸筋の深層で回外筋の中央を貫通し、前腕の伸筋群を次々に支配します。
注1:橈骨神経の浅枝
橈骨の茎状突起後面から「嗅ぎタバコ入れ」の皮下を通ることが多いです。体表からこの付近を軽く指ではじきますと、ピリッと手背の橈側がしびれます。
注2:腕神経叢の枝と臨床事項
①正中神経麻痺:感覚面では、手掌の橈側半の感覚が失われます。運動面では、物を握ろうとしても母指球筋が機能せず、母指と示指が伸びたままで他の3指が曲がった手の形をします(猿手)。
②尺骨神経麻痺:感覚面では、手掌及び手背の尺側半の感覚が失われます。運動面では、物をに握ろうとしても骨間筋が委縮して機能せず、手背に中手骨が目立って指は伸展したままで、指先だけが曲がった手の形になります(鷲手)。
③橈骨神経麻痺:感覚面では、手背の橈側半の感覚が失われます。運動面では、手を伸ばそうとしても上腕及び前腕の伸筋が機能せず、幽霊のように手先が下がってしまいます(下垂手)。