- トップページ
- >
- 中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋
中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋
- 2021/07/13
<運動器系・下肢>
1.下肢の筋
(1)下肢帯の筋
②中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋
中殿筋は三角形の広がりを持った扁平な筋で、その後部は大殿筋に被われます。小殿筋は中殿筋の下にすっぽり隠れた三角形の筋です。3つの殿筋は重なり合いますが、筋線維の走る方向が互いに少し異なります。
中殿筋も小殿筋も同様に股関節を外転します。股関節の外転は、特に歩行時において重要です。歩行では下肢が交互に体重を支えますが、着地している側の中殿筋と小殿筋とが外転作用で骨盤を傾け、骨盤の反対側を拳上します。拳上側の下枝は屈曲し足を前に出します。おろした足の中殿筋・小殿筋が収縮して、骨盤の体側を持ち上げ、足を前に出します。このように歩行では左右両側の中殿筋と小殿筋とが交互に働いて、骨盤を左右交互に傾け前進します。
注:中殿筋・小殿筋が麻痺しますと、足の拳上側の骨盤が下がり、著しい歩行障害を生じます。これをトレンデレンブルグ徴候陽性と言います。他に股関節脱臼・大腿骨骨頭でも同様の兆候が現れますが、股関節の支持性・安定性を知る上で重要な徴候です。
大腿筋膜張筋は腸脛靭帯に停止し、これを牽引することで膝関節の固定を助けます。大腿筋膜張筋は、中・小殿筋と同じ上殿神経に支配されます。