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緩衝作用②
- 2021/07/15
<血液>
1.血液の組成と働き
(4)血漿
②緩衝作用
注:血液の緩衝系
緩衝系とは、酸やアルカリを少し加えてもpHが変化しにくいシステムで、弱酸と、共通イオンを持つ塩基類(緩衝塩基)を組み合わせて作られます。血液の緩衝系の主なものとして下記のものがあります。
イ.重炭酸緩衝系:血液中でCO₂(二酸化炭素)HCO₃⁻(重炭酸イオン)との間に次の平衡が成り立ちます。
炭酸(弱酸) 重炭酸イオン(緩衝塩基)
CO₂+H₂O⇆H₂CO₃ ⇆H⁺+HCO₃⁻
血中に酸が入りますと直ちに平衡は左側に傾き中和します。緩衝作用の結果生じたCO₂(酸)は肺から排出されるので、生体における意義は大きいです。
ロ.リン酸緩衝系:正常の血液のpH付近で、無機リン酸は
H₂PО₄⁻⇆H⁺+HPO₄²⁻
の形で存在し、リン酸⇆水素イオンH₂PО₄⁻(弱酸)とリン酸→水素イオンHPO₄²⁻(緩衝塩基)の間に緩衝系が作られます。血中のリン酸濃度が低いため、この系の全体の緩衝系に対する寄与は少ないです。
ハ.血漿タンパク緩衝系:血漿タンパクは血漿中で多価の弱酸として働き、その塩と共に緩衝系を作ります。
二.ヘモグロビン緩衝系:ヘモグロビン(Hb)は血漿タンパクと同様に、弱酸として働きます。さらにHbはH⁺と結合しやすい性質を持つため、H⁺が存在しますとHbO₂はO₂を離してHbとなり、H⁺と結合して酸を中和します。