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線維素溶解(線溶)
- 2021/07/18
<血液>
1.血液の組成と働き
(2)線維素溶解(線溶)
血管内で一度凝固した血液は、血管が完全に修復されますと再び溶解します。この現象は、フィブリン(線維素)がプラスミンというタンパク分解酵素によって分解されるために起こり、線維素溶解(線溶)と呼ばれます。線維素溶解は、血管内の凝固血液を取り除くことによって、特に細い血管の閉塞が起こるのを防止し、また、血栓が生じるのを防ぐのに役立ちます。プラスミンは、循環血液中では不活性型のプラスミノゲンとして存在し、プラスミノゲンアクチベーターの作用により活性型のプラスミンとなります。プラスミノゲンアクチベーターは、血管内皮細胞や、尿、唾液、涙液など汗以外のほとんどの分泌液中に存在します。例えば、月経血が一般に凝固していないのはプラスミノゲンアクチベーターの作用によります。また、尿中のプラスミノゲンアクチベーターであるウロキナーゼ、血栓症の治療薬としてよく用いられます。血漿中にはプラスミンを不活性化する抗プラスミン物質も存在します。