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心筋の基本的性質
- 2021/07/28
<循環>
2.心臓
(2)心筋の基本的性質
心筋は収縮に適した固有心筋と、興奮の発生と伝導に適した特殊心筋に大別されます。心筋は多数の横紋筋細胞から成り立ちます。心筋細胞は枝分かれをしており、しかも多数の心筋細胞が互いに介在板(境界膜)によって吻合しています。介在板にはギャップ結合という特殊な構造があり、電気的な興奮が1つの細胞により隣の細胞に容易に伝わります。ただし、心房と心室の心筋は結合組織によって隔てられており、刺激伝道系によってのみ興奮が伝えられます。そのため、多数の細胞から構成される心房と心室は各々があたかも1個の細胞のように機能します。心房・心室の心筋細胞を全体として機能的合胞体と呼びます。また、心筋は自動的・律動的に収縮する自動能を持ちます。心筋は意志によって調節することのできない不随意筋であり、自律神経の支配を受けます。
心臓が大量の血液で充満して心筋が伸展されますと、心筋はその伸展の度合いに応じて大きな収縮力を発生します。これをスターリングの心臓の法則と呼びます。この心筋持つ特性のために、右心房に流入する静脈血の量(静脈還流量)が多いほど心臓の拍出量が増加することになります。