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刺激伝導系
- 2021/07/29
<循環>
2.心臓
(3)刺激伝導系
心臓は、体外に取り出しても、自動的に拍動を続けます。この規則正しい律動的拍動のリズムは、大動脈(上大動脈)と右心房の境界近くにあります洞房結節の細胞で発生します。ここを歩調とり(ペースメーカー)あるいは歩調とり細胞(ペースメーカー細胞)と呼びます。洞房結節の細胞に発生した興奮(電気的感動)は、心房筋に伝えられて心房を収縮させます。さらに心室中隔を走るヒス束に伝播します。ヒス束に伝えられた興奮は、左脚と右脚、さらに枝分かれしたブルキンエ線維を通って心室筋全体に伝えられて心室を収縮させます。洞房結節、房室結節、ヒス束、左脚と右脚、プルキンエ線維は、特殊に分化した心筋(特殊心筋)によって構成されており、刺激伝道系と呼ばれます。洞房結節に発生した興奮は刺激伝導系によってごく短い時間内に左右の心房、次いで左右の心室に伝えられ、心臓の壁を構成している一般の心筋(固有心筋)を収縮させて心臓の拍動を引き起こします。正常では、心房の収縮に続き、心室が収縮します。房室結節も自動性を持ちますが、洞房結節の興奮のリズムの方が房室結節のリズムより速いため、正常では心臓全体は洞房結節のペースメーカー細胞の作るリズムで興奮します。
刺激伝道系が心房と心室の間で障害を受けますと、心房と心室が病的にそれぞれのリズムで収縮を始めることがあります(房室ブロック)。