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大腿三角(スカルパ三角)
- 2021/08/14
<運動器系・下肢>
3.下肢の局所解剖
(2)大腿三角(スカルパ三角)
鼠径靭帯、縫工筋、長内転筋に囲まれた領域で、この三角の床を腸腰筋と恥骨筋が作ります。この三角の上縁は鼠径靭帯の下に開いた筋裂孔・血管裂孔と連絡し、さらに三角の下部は内転筋管に続きます。大腿三角の中には、内側から順に大腿静脈、大腿動脈、大腿神経が並びます。このほか下肢と外陰部のリンパを集めた鼠径リンパ節も散在し、ここで集めたリンパを大腿静脈のさらに内側に走るリンパ管に送ります。
大腿動脈は、ここで大腿深動脈などの枝を出します。大腿神経はここで分枝し、縫工筋、大腿四頭筋などの筋枝と、前皮枝、伏在神経などの皮枝に分かれます。
大腿三角の浅層には比較的厚い大腿筋膜が覆います。この部分の大腿筋膜には伏在裂孔が開きます。伏在裂孔には下肢の皮静脈であります大不在静脈が通って、深静脈である大腿静脈に注ぎ込みます。