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大腿動脈
- 2021/08/22
<運動器系・下肢>
4.下肢の脈管
(1)下肢の動脈
①大腿動脈
外腸骨動脈は下腹壁動脈を出した後、血管裂孔を通って大腿動脈に移行し、大腿三角の中に出ます。大腿動脈は鼠径靭帯の中央部で容易に脈拍を触れます。大腿三角を下行しながら大腿後面に向かう大腿深動脈を出し、さらに大腿深動脈は大腿伸筋群・内転筋群や、股関節を養う内側・外側大腿回旋動脈を分枝します。その後、大腿三角の下端から続く内転筋管及び内転筋腱裂孔を通って膝窩に至り、そのまま膝窩動脈に移行します。
注:血管裂孔を出た直後の大腿動脈は皮下の浅層を走るので、臨床的に利用されます。例えば、動脈血の採取に利用するほか、細長いカテーテルを挿入して動脈内を上行させますと、そのまま大動脈を経て心臓や冠状動脈の開口部まで到達できます(大腿動脈カテーテル)。こうして心臓の血管などにX線撮影のための造影剤を注入します。