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局所性調節
- 2021/08/25
<循環>
5.循環の調節
(1)調節の仕組み
①局所性調節
筋は伸展させますと、筋固有性(筋原性)の働きで収縮し、張力を発生する性質を示します。心筋も、心臓への流入血液量が増え心筋が伸展されますと、心収縮力が増大します(スターリングの心臓の法則)。この機構により、通常心臓へ流入する血液が増えても、局所性に収縮力が高まって増えた血液量を拍出できます。血管壁の平滑筋の場合にも、血圧が上昇して細動脈などの血管壁の伸展が著しくなりますと、その血管の平滑筋が筋原性に収縮して血流を一定に保とうとします。
血管は局所で産生されて血管に作用する収縮物質(セロトニン、エンドセリンなど)や拡張物質(ブラジキニン、ヒスタミン、乳酸、二酸化炭素(CO₂)、アデノシン、一酸化窒素(NO)など)によっても調和されています。例えば、血流が組織の需要を下回りますと、代謝産物でありますアデノシン、乳酸やCO₂が蓄積し、血管は拡張します。
血管が血流を一定に保とうとする現象は、自己調節と呼ばれ、腎、脳及び心臓の血管で特に顕著です。