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圧受容器反射(高圧受容器反射)
- 2021/08/29
<循環>
5.循環の調節
(3)循環の反射性調節
①圧受容器反射(高圧受容器反射)
体位を変えたり運動をしたりすることによって全身の血圧が変化しますと、圧受容器反射が秒単位の時間経過で速やかに働き、血圧を安定に維持します。この調節は、短期の循環調節に重要な役割を果たしています。
血圧が基準値より上昇しますと、頸動脈洞や大動脈弓の血管壁にあります圧受容器の活動が亢進し、その情報はそれぞれ舌咽神経と迷走神経を通って延髄の循環中枢に伝えられます。その結果、心臓と血管神経の交感神経の活動が低下し、心臓支配の迷走神経の活動が亢進し、次のような循環反応が起こります。
イ.心臓の反応:心拍数の低下、心筋収縮力の低下、心拍出量の減少。
ロ.血管の反応:末梢の血管抵抗の拡張、容量血管の拡張。
ハ.副腎髄質機能:副腎髄質細胞からのカテコールアミンの放出の減少。
このような反応の結果、血圧は下降して、ある基準値の活動が低下し、上記の反応とちょうど逆の反応が起こり、この結果、血圧は上昇して再びある基準値で安定します。
注:頸動脈洞の圧拍
頸動脈洞の圧受容器を外から強く圧迫しますと、圧受容器反射によって血圧は急に低下し、意識を失うこともあります。