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心肺部圧受容器反射(低圧受容器反射)
- 2021/08/31
<循環>
5.循環の調節
(3)循環の反射性調節
③心肺部圧受容器反射(低圧受容器反射)
心房と静脈の合流部や肺血管には、低圧で作動します伸展受容器が存在します。この受容器を心肺部圧受容器(低圧受容器)と言います。この受容器は肺血管や心房の低い内圧を感受して、血液量の極わずかな変化を検出し、循環血液量の調節を行います。例えば出血などで血液量が減少しますと心肺部圧受容器を介して脳に情報が伝えられ、主に下垂体後葉からのパゾプレツシン(抗利尿ホルモン)分泌を増加して、その結果、腎臓からの尿量が減り、血液量を増やそうとします。逆に血液量が増えますと、心肺部圧受容器の活動が亢進し、前述と逆の反応が起こり、腎臓からの尿量が増えて血液量を減らそうとします。心肺部圧受容器反射は血液量や細胞外液量を長期的に調節する重要な反射です。
注:肺受容器反射
呼吸運動に伴って肺の伸展受容器が働き、その情報は迷走神経を通って循環中枢に伝えられて循環機能に影響を与えます。呼吸の周期に一致した心拍数変動(呼吸性不整脈)や血圧の変動が見られます。