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脳循環
- 2021/09/09
<循環>
6.特殊な部位の循環
(5)脳循環
脳の重量は体重のわずか2%程度ですが、脳は心拍出量の約15%に相当する血液供給を受けます。脳は内頸動脈と椎骨動脈より血液の供給を受けます。脳の細い動脈は、CO₂(二酸化炭素)の増加により拡張します。脳血管は自己調節作用が顕著であり、脳の血液量を一定に調節する機構が非常によく発達しています。
脳の毛細血管は他の部位の毛細血管と異なり、神経膠細胞(グリア細胞)の突起によつて取り囲まれています。また、毛細血管の内皮細胞間隙は非常に狭く(タイトジャンクション)、物質に対する透過性には選択性があります。これを血液脳関門と言いまして、脳内へ有害物質が作用することを防ぐのに役立っています。脳の静脈は脳の周りの硬膜静脈洞に集まり内頸静脈に注ぎます。
注:末梢神経循環
末梢神経にはその全身にわたって血管(神経の血管という意味で vasa nervorumと言います)が豊富に分布します。末梢神経に血液を送る動脈は、近くを走行します動脈より分岐して神経に達し(これを栄養動脈と言います)。神経上膜表面を貫いて神経内に入ります。そして神経内部で多数の網目状の吻合を作りながら分岐し、神経線維束を囲む神経周膜内やその周りに血管網を張り巡らせます。そこからの分岐が神経線維束内部に貫入し、神経内膜中で毛細血管床を形成します。
末梢神経血流は、一般に血圧に依存して変動しますが、局所血流は常に血圧に依存するとは限らず、神経性や代謝性にも調節されます。