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肺におけるガス交換
- 2021/09/30
<呼吸>
4.ガス交換とガス運搬
(2)肺におけるガス交換
肺におけるガス交換は、肺胞気と肺の毛細血管の静脈血との間のガス分圧の差によって行われます。肺胞気の圧は外気圧(1気圧=760mmHg)に等しいです。肺胞では、O₂13~14%、CO₂5~6です。この時肺胞気のO₂分圧は約100mmHg、CO₂分圧は約40mmHgです。
一方全身から肺に戻ってくる静脈血のガス分圧は、O₂が40mmHg、CO₂が46mmHgです。従ってO₂は100-40=60mmHgの分圧差により、肺胞気から静脈血中に拡散します。一方、CO₂は46-40=6mmHgの分圧差により、血中から肺胞気中に拡散します。肺胞壁とそれを囲んでいます毛細血管壁はいずれも非常に薄く、肺胞気と血液との間のガス拡散は速やかに行われます。その結果、動脈血液はO₂分圧95mmHg、CO₂分圧40mmHgの動脈血となって肺から出ていきます。
注1:分圧
混合気体に占める各気体の体積比を圧で表した値です。例えば空気中のO₂分圧は760mmHg✕0.21≒158mmHgとなります。
注2:肺胞気のO₂分圧とCO₂分圧
肺胞気には水蒸気が飽和状態で47mmHgで存在します。従って肺胞気におけるO₂分圧は、肺胞気圧から水蒸気圧を引いた値に肺胞気のO₂濃度を掛けることによつて求められ、(760-47)✕0.14≒100mmHgです。また、CO₂分圧は、(760-47)✕0.06≒40mmHgです。