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血液のガスの運搬
- 2021/10/01
<呼吸>
4.ガス交換とガスの運搬
(3)血液のガスの運搬
動脈血100ml(1dl)には約20mlののO₂(酸素)が溶解しています。その大部分は、赤血球内に含まれていますヘモグロビン(Hb)と可逆的に結びつくことによって溶解しており(化学的溶解)、物理的に溶解している量はわずか(100ml当たり約0.3ml)です。
ヘモグロビンとO₂との結合は、O₂分圧によって左右され、その関係はヘモグロビンの酸素解離曲線で表されます。O₂分圧が高いほど、O₂と結合したヘモグロビン(酸素化ヘモグロビン、HbO₂)の割合で増えます。通常の動脈血のO₂分圧(95mmHg)におきましては、ヘモグロビンの約97%が酸素化ヘモグロビンとなっています。このO₂を多量に含んだ動脈血が心臓から抹消の各組織に送られ、そこで血液と組織の間で再びガス交換が行われます。組織ではO₂分圧が低いので、O₂はヘモグロビンから離れ、血液から組織へと拡散により移動します。
また、血液中のCO₂(二酸化炭素)濃度が増加しますと、ヘモグロビンのO₂結合能力は減少します。組織では、O₂分圧が低いだけでなくCO₂分圧が高いので、O₂と結合しうるヘモグロビンの割合はさらに少なくなるため、O₂がヘモグロビンから遊離しやすいです。
結局、動脈血の含むO₂量が約20ml/dlであるのに対し、静脈血中のO₂量は約15ml/dlであり、約5ml/dlが組織に供給されたことになります。