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CO₂(二酸化炭素)の運搬
- 2021/10/02
<呼吸>
4.ガス交換とガスの運搬
(3)血液のガス運搬
②CO₂(二酸化炭素)の運搬
100mlの動脈血には約40~50ml、静脈血には45~55mlのCO₂が溶解しています。このうち遊離CO₂として物理的に溶解している量は約10%に過ぎず、大部分はO₂の場合と同様に、化学的に溶解しています。即ち全CO₂の約80%は血漿中に重炭酸イオン(HCO₃⁻)として存在し、約10%は赤血球内のヘモグロビンと結合しています。
組織のCO₂分圧は、血液のCO₂分圧より高いので、CO₂は拡散によって組織から血中へ移動します。血中へ移動したCO₂の多くは速やかに重炭酸イオンとして化学的に溶解します。この反応は、赤血球内にあります炭酸脱水酵素の働きで素早く起こります。
肺におきましては、CO₂分圧が低いので、化学的に溶解しているCO₂は速やかに遊離CO₂に戻り、拡散により血液から肺胞気中へ移動します。
注:炭酸脱水酵素
炭酸脱水酵素は組織で産生されるCO₂を水和する働きと肺においてHCO₃⁻を脱水する働きを持ちます。