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上顎神経
- 2021/12/01
<運動器系・頭頸部>
4.頭頸部の末梢神経
(1)脳神経
⑤三叉神経
ロ.上顎神経
正円孔を経て翼口蓋窩に至り、鼻腔と口蓋への枝を分けて眼窩下神経となります。眼窩下神経は、頬骨神経と上顎洞や歯槽と歯への枝を出した後、眼窩の下壁を貫き、眼窩下孔から顔面の皮下に出て下眼瞼から頬部、鼻翼、上唇の皮膚に広がります。頬骨神経は眼窩から頬骨を貫いて皮下に出ます。鼻腔への枝は鼻腔の大部分の鼻粘膜の感覚を支配し、鼻中隔の粘膜内の前下方へ伸びる枝は、切歯管を通り口蓋の前部に至ります。
翼口蓋神経節は翼口蓋窩にあり、顔面神経からの副交感神経線維を受ける自律神経節で、上顎神経はこの神経節と交通枝を以って連絡します。この交通枝を利用して節後線維は上顎神経の枝を経由でき、涙腺などに至ります。
注:翼口蓋窩
眼窩の奥の狭い空間で眼窩と通じるだけでなく、正円孔を介して頭蓋腔、蝶口蓋孔を介して鼻腔と通じています。さらに口蓋管を介して口蓋と交通しています。また、側頭下窩ともつながります。内頸動脈神経叢の枝が通る翼突管もここに通じますので、眼窩や鼻腔そして口蓋など、広い領域に至る神経と血管がここで枝分かれします。