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下顎神経
- 2021/12/02
<運動器系・頭頸部>
4.頭頸部の末梢神経
(1)脳神経
⑤三叉神経
ハ.下顎神経
三叉神経節から下方へ伸びる下顎神経は、直ぐに卵円孔を通って側頭下窩に出て多数の枝に分かれます。各咀嚼筋と鼓膜長筋への筋枝は比較的短いです。舌神経は途中で鼓索神経と合流したのち外側下方から舌に進入します。耳介側頭神経は、顎関節の内側を通り、外耳孔の直前で皮下に出て側頭部へ広がります。頬神経は頬部から口角の口腔粘膜と皮膚に分布します。下歯槽神経は、顎舌骨筋などへの筋枝を出したのち下顎管の中へ入り、各歯根への枝とオトガイ孔から皮下に出る枝を分岐します。
下顎神経からは、ツチ骨に停止して鼓膜を緊張させる鼓膜張筋や、軟口蓋の口蓋帆張筋を支配する筋枝も分かれます。
注:いわゆる顔面神経痛は、正確には三叉神経痛であり、支配領域に激しい痛みを生じます。特に上顎神経領域に発生することが多いです。また、中硬膜動脈に沿って脳硬膜に分布する硬膜枝は偏頭痛に関与します。