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顔面神経
- 2021/12/04
<運動器系・頭頸部>
4.頭頸部の末梢神経
(1)脳神経
⑦顔面神経(感覚性・運動性・副交感性)
橋の後縁かの外側寄りから出て内耳神経と共に内耳道に入り、内耳道の奥で顔面神経管に入ります。この管は側頭骨の岩様部の中を貫く細長い管で茎乳突孔に至ります。顔面神経は途中の鼓室の内側壁の中で直角に後方へ曲がるところ(膝)で、翼口蓋神経節への枝(大錐体神経)を分け、次に鼓室の後方でアブミ骨筋への筋枝と鼓索神経を分枝します。
イ.感覚神経
味覚を伝える感覚線維(味覚線維)は鼓索神経に入って鼓膜の上縁を通り側頭下窩で舌神経に合流して舌に入ります。この線維は舌の前方2/3の粘膜上皮に分布して味細胞とシナプスを作り、味覚を伝えます。この線維の細胞体は膝神経節の中にあります。
ロ.運動神経
橋の顔面神経核から始まり、大部分は茎乳突孔から出て、外耳孔の下方から放射状に広がる多数の枝に分かれ、頭頸部の皮下に広がる表情筋に入ります。茎突舌骨筋及び顎二腹筋後腹も支配します。
ハ.副交感神経
涙・鼻水と唾液の分泌を促進する神経線維は、橋と延髄の境界近くにある上唾液核から始まります。涙腺を支配する節前線維は、大錐体神経を経由して翼口蓋窩にある翼口蓋神経節に入ります。この神経節から始まる節後線維は上顎神経の枝である頬骨神経を経て涙腺神経に合流して涙腺に至ります。鼻粘膜や口蓋の小唾液腺を支配する節後線維も上顎神経の枝を経由します。
顎下線と舌下線の分泌を促進する節前線維は、鼓索神経から舌神経を経由して舌下で顎下神経節に入り、ここでニューロンを交代して腺に入ります。
注:顔面神経麻痺
麻痺が起こる場所により、表情の消失のほかに、味覚の消失、涙や唾液の分泌障害、聴覚過敏などが加わります。