- トップページ
- >
- 直腸、肛門と排便
直腸、肛門と排便
- 2022/01/01
<消化と吸収>
6.直腸、肛門と排便
直腸に糞便が送り込まれ、そこに蓄えられます。肛門の外肛門括約筋(横紋筋)が収縮して排便は抑えられます。糞便によって直腸壁が伸展されますと、その情報が大脳に伝えられ、便意を催すとともに、排便反射が引き起こされます。実際には排便反射は大脳の意志によつて、平素抑制されています。排便時にはその抑制が除かれます。排便反射は次のような機序に基いて誘発されます。直腸に消化残渣が送り込まれ、直腸壁が伸展されますと、その情報は骨盤神経の求心路を通って腰仙髄の排便中枢に伝えられます。その結果、骨盤神経(副交感神経)遠心路の活動が亢進してS状結腸、直腸を収縮させるとともに、下腹神経(交感神経)の緊張が抑制されて内肛門括約筋(平滑筋)が弛緩し、陰部神経(体性運動神経)の緊張が抑制されて外肛門括約筋(横紋筋)が弛緩します。また、随意的に横隔膜及び腹筋を収縮させて腹圧を高め、排便を容易にします。
脊髄の腰仙髄部にあります排便中枢は、通常は大脳からの抑制を受けていますが、大脳の損傷によって抑制が失われたりしますと、大便失禁が起こります。