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肺の打診
- 2022/06/17
<局所の診察>
10.肺・胸膜
(2)肺の打診
右鎖骨中線上で胸部を上から下へ打診し、先ず肺腺境界を確認し、肺下界を決定します。また、左鎖骨中線上で、胸部を上から下へ打診していきますと清音から鼓音に変化します。これは胃泡によるもので、左側では肺下界を正確には決定しにくいです。背部では、肩甲線で第10肋骨、脊柱右側で第10胸椎棘突起の高さが肺下界です。
肺下界は、肺気腫で降下します。また、肺気腫患者の肺野を打診しますと、清音に比べて持続が長く、より低調で、音量の大きい音が発生します。過共鳴音と言います。気胸の場合にも、罹患側で過共鳴音を呈します。
肺炎、肺化膿症、腫瘍、無気肺(気管支が腫瘍などによつて圧迫又は閉塞されて生じます)などでは、肺組織の空気含有量が減少します。病変部位の肺野を打診しますと、清音でなく、濁音が聴かれるようになります。
胸水が貯留したり、胸膜炎によって胸膜が肥厚した場合、濁音を呈します。