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呼吸音の異常
- 2022/06/22
<局所の診察>
10.肺・胸膜
(4)呼吸音の異常
呼吸器疾患では、正常の呼吸音が増強したり減弱したり、本来は聴こえないはずの部位で聴かれたりします。例えば、気管支炎、肺炎、肺結核などで呼吸音が増強し、胸水貯留、気胸などでは呼吸音が減弱します。また、正常では聴かれない、異常な呼吸音が聴こえる場合があります。気管支が狭窄したり、分泌物、粘液、膿などが溜まっていたりしますと、その間を空気が出入りする時に、様々な音を発生することを副雑音と言います。気管支喘息、気管支炎、気管支拡張症では、「ヒューヒュー」「ギーギー」「グーグー」ブーンブーン」などと言った副雑音を発生します。肺炎、気管支炎、肺化膿症、肺うっ血などの時には、「ブツブツ」「バリバリ」と言った音が聴こえます。胸膜炎では、肺側と壁側の両胸膜がこすれ合って、なめし革をこするような音を胸膜摩擦音と言います。声音振盪と同様に「ひとーつ、ひとーつ」と声を出させて聴診するものを声音聴診と言います。声音振盪と同じく、胸水貯留、気胸、胸膜肥厚などで声音が減弱します。