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心濁音界
- 2022/06/28
<局所の診察>
11.心臓
(2)心濁音界
打診により、心臓の大きさ、形、位置を調べます。心臓部を打診しますと、濁音を生じます。周囲は肺野であり、清音を呈しますから、心臓の形に応じて濁音の範囲が決定されます。これを心濁音界と言います。
先ず右第4肋間を外方から胸骨へ向かって打診していき、濁音を生じたところを心臓右界とします。次いで胸骨左縁の左側を上から下に打診し、上界を決定します。さらに左第5肋間を外から内へ打診し、左界を決めます。健常者では、心濁音界は次のようになります。
①右界‥胸骨右縁
②上界‥第3肋骨
③左界‥左鎖骨中央線のやや内側、心尖拍動の外側
心臓肥大、心膜炎によります心嚢水貯留では心濁音界が拡大します。腹水貯留、妊娠などで横隔膜が拳上した際、あるいは縦隔腫瘍や胸水貯留によって心臓の位置が変化しますと、心濁音界も変化します。