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腹部
- 2022/07/06
<局所の診察>
12.腹部
腹部の診察では、視診、聴診、打診、触診の順序で行います。例えば、腹痛の強い患者に対して先に触診をしますと、腹壁筋肉が緊張して診察しにくくなります。このため、腹部の診察では視診に次いで聴診を行い、その後に打診、触診を進めます。
腹部の触診は、通常患者を仰臥位にして行います。腹壁の筋肉を弛緩させないと十分な触診は行えないからです。このため、下肢を股関節と膝で屈曲させ、膝立てさせます。冷たい手でいきなり触れないよう注意します。最初は腹部全体を軽く触診し、徐々に力を加えて触診するようにします。くすぐったがる人では、話しかけて、気をそらせたりすると良いです。
腹部では診察した所見を表現する場合に、臍を通る水平線及び垂直線で4区画に分け、それぞれ右・左上腹部及び右・左下腹部とすると分かりやすいです。または、さらに細かく区分しても良いです。虫垂炎など、疾患によっては特定の部位に所見が見られますので、腹部の診察では、部位を確認しておくことが重要です。