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腹部内臓の触診(右季肋部)
- 2022/08/07
<局所の診察>
12.腹部
(12)腹部内臓の触診(胃、腸、肝臓、腎臓、脾臓、胆嚢、膵臓)
②右季肋部
肋骨弓に沿って右手指を当て、腹式呼吸に合わせて、肝臓を触診します。健常者では、肝臓は触知しないか、わずかに肝下縁を触れるのみです。肝臓を触知する場合、肋骨弓から何cm触れるのか、表面の性状、硬さ、圧痛の有無などを調べます。急性肝炎では、2~3cm程度までの肝腫大に留まります。圧痛があり、食欲不振、倦怠感などを伴います。肝硬変では、弾性硬で、表面が顆粒状の肝腫大として触知されます。肝がんでは、硬く、表面が凹凸不整です。アルコール常飲者では、しばしば脂肪肝の状態を呈し、弾力ある肝腫大を認めることがあります。胆嚢も、通常は触知されません。がんなどで総胆管が閉塞されますと、球状に腫大した胆嚢を触れるようになります。癒着がありませんと、振子のように左右に動きます。胆石症、胆嚢炎では、右季肋部に限局性の圧痛があります。