- トップページ
- >
- 糸球体における濾過の仕組み
糸球体における濾過の仕組み
- 2022/09/01
<排泄>
1.腎臓の構造と働き
(3)糸球体における濾過
①糸球体における濾過の仕組み
血液が、糸球体の毛細血管を流れる間に、血球及び血漿中のタンパク質や脂肪球などの大きな粒子以外の成分、即ち水、Na⁺、Cl⁻、HCO₃⁻(重炭酸イオン)、尿素、グルコース、アミノ酸、クレアチニンなど小さな分子の成分が毛細血管壁を濾過されて、ボウマン嚢に入ります。この濾過の原動力は主として糸球体における血圧(45mmHg)です。糸球体血圧は、動脈圧が変動しても、ある範囲内であれば輸入細動脈の血管抵抗が変化するため、約45mmHgのほぼ一定の血圧に保たれます。血漿は血漿タンパクを含んでいるために膠質浸透圧があります。血漿の膠質浸透圧(約25mmHg)とボーマン嚢内圧(約10mmHg)は糸球体血圧に拮抗する方向に働きますので、濾過の際に働く有効濾過圧は、以下の通りとなります。
糸球体血圧-血漿の膠質浸透圧-ボウマン嚢内圧=45-25-10=10mmHg
この有効濾過圧(10mmHg)で、血漿中の水と小さな分子からなる成分は、糸球体毛細血管からボーマン嚢へ押し出されます。
注:糸球体の炎症
糸球体の炎症などの病的状態の下では、血漿やタンパク質のように大きな分子も糸球体で濾過されて尿中に出てくるようになります。