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圧痛
- 2022/09/22
<局所の診察>
13.背部
(3)圧痛
種々の内臓疾患で、特定の皮膚領域に帯状に感覚過敏性を引き起こすことがあります。即ち、内臓病変で発生する痛みの刺激は、求心性線維を伝わり、交感神経交通枝、脊髄神経節を経て、脊髄の後根、後角に入ります。刺激が加重されますと、この部位での過敏性が高まってきます。一方、同じ神経分節の皮膚などに極めて軽い刺激を与えますと、その刺激が同じ高さの脊髄後根、後角に入ってきます。内臓病変からの刺激であらかじめ過敏性が高まっていた(刺激焦点)脊髄後根、後角は、皮膚からの軽い刺激を強い刺激として受け取り、過大に評価されて大脳に伝えられ、強い痛覚として認識されます。即ち、内臓の病変に際し、その所属する同じ高さの脊髄分野の皮膚・皮下組織に、知覚・痛覚過敏帯または過敏点を生ずると考えられます。内臓-皮膚代謝、関連痛とも言われます。このため、背部を触診し、圧痛のある場合には皮膚や筋肉など背部局所の痛みは勿論ですが、内臓疾患の可能性も考慮する必要があります。